ログイン ログアウト 登録
 公立中高一貫校の受験対策は、低学年の作文の家庭学習から Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 515番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
公立中高一貫校の受験対策は、低学年の作文の家庭学習から as/515.html
森川林 2009/06/08 09:22 


 公立中高一貫校が人気です。この理由は、私立に比べて経済的に楽だということもあります。しかし、それ以上に、公立中高一貫校が本気でいい教育をしようと考えていることを、多くの人が感じているからではないでしょうか。それは、それぞれの県のトップ高や準トップ高が公立の中高一貫校になっていることにも表れています。また、問題を見ても、よく考えられた良問が多く、いい生徒を集めたいという気合が感じられます。


 更に、これまでの私立中学受験で無理な勉強を小学校のうちからすることへの反省も、公立中高一貫校の人気を支えているのではないかと思います。


 人間の成長の自然な姿は、小さいころはたっぷり遊び、成長するにつれて勉強するという形です。小学校時代はよく遊び、中学高校大学になるにつれて学問に目覚めていくというのが、本来の成長の姿です。

 そのような成長の仕方をした子の方が、将来活躍します。小学校時代から単調な勉強に縛られているようでは、これからは、人間の幅が狭くなります。小さいころは、読書や趣味や家族との対話によって幅広い人間力の土台を作っていくことが大事なのです。


 言葉の森では、公立中高一貫校の入試に向けて、作文試験の受験コースを開設しています。これは入試の五ヶ月前から毎週一回の割合で過去問に合わせた作文課題を書く練習をしていくコースです。

 しかし、五ヶ月では実は、実力はあまり変わりません。その生徒が持っている今の実力のままで最もよい作文を書けるように練習していくというのが受験コースの目標です。そして、この目標で、毎年多くの生徒が受験に合格しています。


 言葉の森での作文の勉強は、通常次のような形で進みます。

 まず、生徒が入会したあと、すぐに上手に書けるようになります。来てすぐに上手になるというのが、言葉の森の指導の一つの特徴です。

 しかしそのあと、進歩はなだらかな曲線に入ります。このなだらかな進歩の期間も、先生が見る目からはその子は上達していますが、本人にとってはあまり上達しているように見えない時期です。

 けれども、一年間ぐらいたつと、本人自身が自分でもうまくなったということを実感してきます。上手になったことが確実に実感できるのに、一年間かかります。

 ただし、これは、熱心に取り組んだ生徒の場合です。熱心というのはどういうことかというと、課題を事前に見て、書くこと自分なりに準備してくることです。それは、書く材料を考えてくることもありますし、家族に似た例を取材してくることもあります。また、暗唱、音読、読書などもそれなりにやっていることが必要です。つまり、熱心といっても、普通に真面目にやっていればいいのです。

 しかし、一年間で、自覚できるぐらい上達したとはいっても、根本にある思考力の差はなかなか埋まりません。上手な子と普通の子の実力が短期間で逆転するようなことは、なかなかないのです。


 そこで、作文の勉強は小学校から低学年からスタートした方がいいということになります。

 小学校1、2年生から始めると、まず暗唱などの自習の習慣がつきます。そして、1、2年生から始めた習い事は、長続きすることが多いのです。日本の昔からの言い伝えで、六歳の六ヶ月目ごろから始めた習い事は長く続くといわれています。(六歳の六月六日とも言われています)

 低学年のころは、勉強の中身よりも、勉強をスタートすることに意味があります。なぜかというと、その時期にスタートすると、それがその後の生活の習慣になるからです。


 生活習慣は、子供だけではなく親も変わります。言葉の森の勉強で生活習慣のどこが変わるかというと、まず子供に毎日の勉強の習慣がつきます。一方、親は、勉強のことでやたらに怒らなくなり、家族の対話を大事にするようになります。


 この親子の生活習慣の変化が、実は公立中高一貫校の学力の土台になっているのです。

 毎日の積み重ねで育った学力があれば、たとえ受験をしなくても、その後の勉強のしっかりした基礎ができたことになります。

 基礎のできた子は、やる気になったときにいつでも力を伸ばすことができます。


 低学年の勉強は、一言で言えば、愛情と日本語です。

 それ以外の勉強や習い事は、すべておまけのようなものだと考えていくとよいでしょう。いろいろな習い事や勉強をするのは子供の可能性を広げるという点でいいことですが、最優先するのは日本語をしっかり使えるようになることと、愛情のある子供に育てることです。

 この「愛情と日本語」を具体的な勉強の形で表すと、作文の勉強を通した毎日の自習と親子の対話ということになるのです。


(この文章は、構成図をもとにICレコーダーに録音した原稿を音声入力ソフトでテキスト化し編集したものです)

マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
中高一貫校(11) 小学校低学年(79) 公立中高一貫校(63) 

コメント欄

コメントフォーム
公立中高一貫校の受験対策は、低学年の作文の家庭学習から 森川林 20090608 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
あいうえ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「あいうえ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
中高一貫校(11) 小学校低学年(79) 公立中高一貫校(63) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習